アンケートは無作為に行なったのではなく、日頃からお付き合いのあるお客様を中心に以下の年齢層の方々から丁寧に集めたものです。

20代 30台 40台 50台 60台
既婚女性
既婚男性
独身女性
独身男性

紙面の都合上ここでは◎印の以下の世代だけを掲載したいと思います。

◎ 30代の既婚女性
◎ 30代の既婚男性
◎ 20代の独身女性
◎ 20代の独身男性

日常生活の中の何気ない購買行動にはそれを裏付ける心理が存在し、ある一定の基準と価値観という秤(はかり)を持って生活していることが良く分かり非常に興味深い結果を得ることができました。

「これが出雲の人か! 面白い!!」と率直に感じました。

ここからは4つの世代の人たちについて物語風に話を進めていきます。この物語の中に、実はあなたのお店の経営に役立つ情報が満載されているのです。重要な部分については太字で書きましたので注意して読み進めていって下さい。

出雲の30代既婚女性の生活物語

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出雲の30代の仕事を持っている女性の30%は、昼食をお弁当で済ませているようで、パート・アルバイトの女性は自宅で食事を取っている人が多いようです。都会のようにおしゃれなカフェレストランとかで昼食が取れるような状況ではなく、また職場の近くに手軽に昼食が取れるような飲食店が少ないことも影響しているのでしょう。

仕事帰りの夕食の「食材の買い出し」は、やはり専門店やコンビニではなく、「スーパー」が91%と圧倒的に多いです。その際のお店の選択基準は図1.で分かるように「自宅・職場に近い」、「値段が安い」、「鮮度が良い」の順になっています。やはり仕事を持っていると「利便性」が最優先なのでしょう。

そして、図2.から分かるように70%以上の女性が、食料品店の安売り・鮮度等の情報交換を知人と行っています。さらに、詳しいデータによると仕事をしている人よりも、仕事をしていない人の方がさらにその割合が高いのはとても興味深いです。

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ランチは、平日の主婦の最大の楽しみのようで、データでは月に1回以上ランチに行く人は50%を超えます。図3.からランチに月1~2回行く人が58%となり一番多かったです。詳細データでは仕事を持っていて同居している人は別居している人よりもランチに行く割合がより高いことから、同居のメリットを最大限活用している賢い女性の姿を見ることができます。ランチの際の話題は、やはり子供や家庭のことが中心で、2時間以上もお店で過ごす人がいるほどランチは「主婦のサロン」として定着しつつあることを証明しています。

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そして、70%以上の女性が月に1回以上外食(夕食)に出かけます。一緒に行くのは家族が中心で、店の選択理由は、図4.によると友人等の紹介が半数以上を占めていて、情報力・口コミの効果の大きさが伺えます。しかし、広告・チラシ等を見て情報を得ている人も31%いるので両方の情報ツールを駆使していることが伺えます。

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さらに図5.よりお店の選択理由としては、「味」と「価格」、そして「メニューの豊富さ」で全体の約74%を占めていました。これは当然の結果でしたが、予想外だったのは、「サービス」を選択のポイントとしている女性が4%と少なかったことです。情報収集にあれほど熱心な女性たちが、サービスに鈍感、というか興味がないのは全くもって不思議です。もしかしたら、都会のようなハイレベルのサービスを受けたことがないからでしょうか? ここに繁盛のヒントがあるかも・・??

週日を家事・仕事と忙しく過ごした女性たちは休日になると半数近い人が買物に出かけます。図6.より洋服は一人で買う人が64%もいます。『品揃え』『センス』『価格』と言う秤を持って一人で買物を楽しむ女性の姿がそこにあります。ゆっくりと誰にも干渉されずに過ごす時間、働く女性には特に必要なようです。

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育児・仕事と忙しく活動している主婦ですがそこはやはり女性、図7.によると美容に関心がある人は54%。個別のデータからは特に美肌への関心が圧倒的に多いことが分かりました。美はやはり女性の永遠の欲求なのでしょう。

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また、まだまだ若いといっても、図8.から分かるように健康に不安を感じたことがある人は74%に上り、その内病気への対策をしている人は60%になりました。「美容」と「健康」、30代既婚女性にとってもキーワードだと思われます。

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出雲の30代既婚男性の生活物語

30代の既婚男性も、昼食は半数の人が弁当を食べ、外食は27%に留まっています。奥さんも働いていることも手伝ってか弁当が多いようです。また、外食しようにも近くに手頃な飲食店がない現実と、弁当にして夫婦で節約をした方が良いという状況もあるように思われます。

月に一回以上外食(夕食)に出かける人は70%います。図9.から友人等の紹介でその店を知った人が43%と一番でしたが、ここで面白いのは広告・チラシ等で知った人が24%と、結構広告・チラシを見ているようです。図10.ではサービスが全く眼中にないことが分かります。

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また、図11.より月に一回以上お酒を飲みに出かける人は58%います。また図12.から友人と出かける人が55%、仕事関係が28%と友人と活発に活動していた独身時代の名残りを感じさせる行動があることが分かります。仕事関係は比較的少ないのでプライベートは友人と・・というコミュニケーションパターンがあるようです。でも、ほとんど飲みに出かけない人が半数近くいるのも興味深い傾向です。

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休日は買物が30%と一番多いのですが、スポーツ・近場観光と割とバランスの取れた余暇の過ごし方をしている様子が分かります。

健康に不安を感じたことのある人は図13.より67%いましたが、その内病気に対して何らかの対策をしている人は32%と、既婚女性が60%なのに対して意外に少なかったのが興味深かったです。体力・気力ともまだまだ自信があるのでしょうか。病医院の選択基準については『技術の高いところ』が上位に来ていました。女性は『先生が親切だから』が上位でしたから全く違う観点から判断しているんですね。女性は「医は仁術なり」ですが男性は「医は技術」と言ったところでしょうか。

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出雲の20代独身女性の生活物語

20代の独身女性の約半数は、毎日の食事はお母さんやお祖母さんが作ってくれているようです。昼食は弁当持参の人が60%、外食が8%と、圧倒的に弁当派が多いようです。でも、本当に出雲は弁当派が多いことを認識させられます。

図14.より月に一回以上外食に行く人が92%もいることから、職場から直接飲食店に行き、友人と夕食を食べながら話に花を咲かせている楽しそうな女性の姿が浮かびます。これは全世代と比較しても脅威の数字です。月に6回以上行く人が16%もいるのは驚きです。夜にパワー全開しているリッチな独身女性といえるでしょう。友達との楽しみにはしっかりとお金を使う活発な独身女性が見えてきます。

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その店を知った理由は図15.より友人等の紹介が74%と圧倒的です。その反面、広告・チラシはほんのわずかですから、友人のネットワークからの情報を中心に行動をしている様子が分かります。そのお店を気に入っている理由の中では、図16.よりやはりサービスはほとんど眼中になく『味』、『雰囲気』を軸に楽しんでいます。サービス、接客とはいったいなんだろうかと考えさせる結果でした。評判の店があったら松江まででも食べに行きたい人は73%もいましたので彼らの行動範囲は広がりを持っていることが分かります。

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一方、休日は買物・ドライブと割りとシンプルな過ごし方をしているようです。でもドライブには食事はつきものですから美味しいお店を探索している女性が想像されます。

図17.より洋服の買物は一人で行く人が46%で友人と行く人が40%と、一人で買物に行く人が多く、友人とのコミュニケーションを大切にしている独身女性の傾向としては意外な結果でした。これは既婚女性にも共通して見られる傾向です。

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図18.より美容に関心がある人は77%あり、結婚前の女性として当然の結果が出てきました。

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出雲の20代独身男性の生活物語

最後に、20代男性を紹介したいと思います。昼食は弁当派が62%とやはり都会の若者とは全く違う傾向です。外食が8%と本当に昼食のできる飲食店が近隣に少ないことが分かりました。弁当を持って会社へ出かける独身男性の姿が浮かびます。

そして、図19.より月に一回以上外食(夕食)に出かける人は59%と、独身女性が92%であるのに対して圧倒的に少ないのは非常に興味深いです。友達とのコミュニケーションの取り方が独身女性とは違うようです。それでも、その店を知った方法は図20.より友人等の紹介が74%で圧倒的に多く、広告・チラシは13%で独身女性と同じような傾向になっています。とにかく友達の情報に信頼を置いている姿を知ることができます。

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休日は買物・ドライブ・スポーツと既婚男性と同じ傾向になっています。独身の時の傾向がそのまま結婚生活の休日の過ごし方に通じている面白い傾向があります。男性は結婚しても若い間はライフスタイルをあまり変えないのでしょうか。

洋服は一人で買いに行く人が図21.より54%、友達と買いに行く人が46%と意外と友人と行く人が多いのは面白いです。友達の洋服の買物に付き合ってあげている独身男性は退屈でも時間を共有したい意識があるのでしょうか。

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以上の結果から全世代に共通する「出雲人像」を描き出してみました。

まず、出雲の人は、お店への期待という点では「サービスを重要視していない傾向」があります。ずば抜けたサービスを展開している店がないという現実もバックグラウンドにありますが、サービスへの感性が都会の人に比べたら多少鈍いのかもしれません。しかし、この結果は何もサービスは適当で良いということにはつながりません。ここで出てくる答えは2つあります。1つは、「既に最低限のサービスを受けておりサービスに対する違和感はそれほどない」ということ、そして第二に「最高級レベルのサービスを知らないためにサービスへの欲求が欠けている」ということです。

一番の特徴は、男女とも友人からの情報に一番信頼をおいて購買行動を起こしていることです。友達からの口コミをあらゆる場面で購買行動にフル活用している様子が伺えます。とにかく、広告・チラシという媒体よりも信頼関係で結ばれた友人等を大切にしている気質は都会にはない貴重な財産だと思われます。昨今、横の繋がりが希薄になったと言われていますが、このデータを見る限りそんなことはないと感じました。休日において友達と楽しむ人も結構多いことから友人関係の良好な継続のために努力し楽しんでいる様子がわかります。

そして、女性は総じて一人で行動し、自分の判断でモノを買う、のに対して、男性は奥さんや家族を同伴して同意を求める傾向があります。微妙な購買心理の違いがこの結果によく表れています。

また、女性の楽しみ方は外食・ランチ等に現れているように安く・長く・楽しく話すが大原則のようです。そのような場所の発見も口コミによることがわかります。男性に比べて女性のほうがはるかに外へ出て活発に活動し、友人と積極的にコミュニケーションを取りたいという欲求が強いことがわかりました。

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