いま日本中で商店街が「シャッター通り」化しつつあります。賑わいの象徴的存在であった商店街が今は見る影もありません。あの時の賑わいはいったいどこへ行ってしまったのでしょう? なぜ日本中で全く同じ現象が起こっているのでしょうか?

その原因は、旧来型の考え方や売り方しかできない商店や事業所が、多様化している消費者(お客様)のニーズに適応できなくなったことにあります。それが全国各地にシャッター通りを産み出しているのです。

そういう意味では、世に言われているような「平成大不況」などというものは存在しないのかも知れません。もし店舗が繁盛していないとすれば、それは個性が多様化している消費者にその事業者の方が合わせられなくなったということ、つまり「不況」などという現象自体があるのではなく、「不況業者」が多くなったというだけの話なのです。

これは全国的な傾向です。
そして、我が街「出雲」にも同じような現象が現われてきています。出雲地方には、出雲大社を筆頭に観光資源が豊富にあります。しかし、事業者の方々はそれを充分に活かしきれているでしょうか?

また、いくら出雲地方に他府県の方々がたくさんいらしたとしても、それだけでは出雲は活性化しません。出雲の街に魅力がなければ、出雲はただの素通りの街になってしまうからです。大社町の旅館街がその典型なのかも知れません。現代人のニーズに合わない街、商店、事業所は世の中から自然淘汰されていくのです。それはいつの時代にあっても変わらない原理なのです。

最近「地域の活性化」という言葉をよく耳にします。少子高齢化社会の煽りを受け、元気のなくなった街や地域の商店に活気を取り戻そうという官民挙げての取り組みです。しかし、現在各地で行われている活動を見ると、どうも活性化という主旨を取り違えているような気がしてなりません。

現在の活性化事業の中心は、駅前整備事業や箱モノ(役所主体の建物)、せいぜいが「○○○祭り」などといった街興し運動です。しかし、建物を整備し、道路を新設し、祭りをやればそれで地域が活性化するのでしょうか? 答えはノーだと思います。なぜなら、そこには「消費」というものが伴わないからです。

確かに、道路や建物の整備も消費の一部です。しかし、本当の消費というものは「継続的・反復的」でなければ意味がないのです。安定した消費こそが地域を活性化させるのです。一時的な賑わいは、逆に「祭りの後の寂しさ」を生むだけです。それでは地域は活性化できないのです。

出雲の事業者の方々は、長年の間、出雲地方を拠点に仕事をし、出雲という街があったからこそ、生活することができたのです。ということは、出雲が衰退していくということは、事業者の方々自体も消え去っていくということなのです。

日本の人口は、統計上この100年で現在の半分になると言われています。100年先のことなんて!と言う方もいらっしゃるでしょうが、これを1年換算すると実に年間60~70万人もの人間が日本から消えていくということになるのです。島根県の人口は75万人、隣の鳥取県は61万人です。ということは、わずか1年の間に鳥取県や島根県の総人口が日本から忽然と消えていくという計算になるのです。

しかし、人口の減少は、1県を全て消し去るというような構図では進みません。その構図は、「過疎や地方から順に人が消えていく・・・」ということになると思われます。そして、真っ先に消える地方というのが、活気のない街、魅力のない街、つまり消費の起きない街、ということになるのです。生活者が居なくなり、消費者も居なくなる。そうなれば事業者も居なくなる。出雲という、太古からの長い歴史のある街が日本から忘れ去られていく日がやってくるかも知れないのです。

そんな出雲の状況の中、弊社浜村建設は、出雲を本当の意味で活性化させるために必要な情報を収集するために、我社のお客様を中心にして大規模なアンケートを試みました。そして出雲に住む人たちにとって、出雲の街自体が活性化するために何が必要か確かめ検証することとしました。

そのアンケートを集計していく過程で気が付いたことは、一番大切なことは、多くの市民の方々に長く出雲という街に住み続けて頂き、消費を出雲以外の地域ではなく出雲地方の商店・店舗で落として頂くことだということが分かったことです。

そしてこの情報を我々の中だけで留めておくよりも広く一般事業者の方々にもお知らせし、何かしらのお役に立ててもらいたいと考えここに小冊子を作り配布する運びとなりました。「商売繁盛の秘訣」、と仰々しいタイトルではありますが出雲の発展を願うたくさんの人の声に是非耳を傾けて頂きたいと思います。

商売繁盛の秘訣!!その答えは、お客様だけが知っています。
そして、そのお客様のニーズに合わせた戦略的な仕掛けと仕組みを作り出す、それこそが「繁盛のための原理原則」なのです。

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